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帰路にまざまざと知る
空間と身体の境界を素材と光で問い直す個展。壁と床の接合部、窓枠が切り取る外光、素材の自重が生む変形——見過ごされてきた閾値に焦点を当てた。
Concept
この展示は、ギャラリー空間そのものを素材として扱うことから始まった。
床と壁が出会う線、天井から落ちる人工光と窓枠が切り取る自然光の混交——それらはふだん、作品を「置くための条件」として背景に退いている。私はその条件を前景化することを試みた。
使用した素材はいずれも加工度が低い。コンクリートブロック、工業用ゴムシート、ポリエステル不織布。これらを組み合わせることで生まれる接合部や重なりは、空間の構造と視覚的に対話する。素材の自重が形を決め、時間とともに変形する可能性を孕んでいる。
「余白」という言葉を展示タイトルに選んだのは、ネガティブ・スペースへの関心からだ。しかしここでいう余白は、「何もない空間」ではない。むしろ、意味が定着するまえの状態——境界が確定するまえの曖昧な領域——として理解している。
ギャラリーを訪れた人が、自分の身体が空間を占有する仕方に、わずかでも意識を向けることができたなら、この試みは成功したといえるだろう。
キュレーター:waxogawa/小川楽生 エディトリアル・デザイン:waxogawa インストール補助:柴原佳範 PR:biscuit gallery
本展示はbiscuit galleryの「若手キュレーター支援事業」として開催されました。
Images