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帰路にまざまざと知る

Year 2024
Date 2024年2月1日 – 2024年2月18日
Venue biscuit gallery
City Tokyo
Type curated
Role curator
Artists 袁方洲 (Yuan Fangzhou), Christos Mavrodis, 添田奈那 (Nana Soeda), 田中小太郎 (Kotaro Tanaka), ペロンミ (pelonmi), Lily Spacey
帰路にまざまざと知る — cover

biscuit gallery Curator Projects Vol.2。先天性重度難聴をもつキュレーターwaxogawaが、言語訓練のために通った往復5時間の「帰路」の記憶を起点に、6名の作家とともにギャラリーの3フロアを編んだグループ展。

biscuit gallery Curator Projects 第2弾。若手キュレーター支援のために始まったこのプロジェクトの第1弾は、松江李穂キュレーションによる菊谷達史・前田春日美の二人展「影をしたためる notes of shadows」(2022年9月)。第2弾となる本企画は、企画の強さとともに、実現に向けた計画やアクションプランの現実性が選抜の理由とされた。

英題は enlighted things in a way to home

タイトルにある「帰路」は、キュレーターであるwaxogawa(小川楽生)自身の幼少期の経験——先天性重度難聴のため、言語訓練のために両親の送り迎えで通った往復5時間の道程、高速道路のテールランプ、言語獲得を通じた社会への開かれ——に由来する。この記憶は単なる個人史としてではなく、言語、翻訳、回復=cure、キュレーション=curationの問いへと展開されている。waxogawaはキュレーションを「作品のなかに潜り込みながら、その過程を知り、他者のなかでおのれを再び引き剥がす行為」として捉え、本展を「回復させる[cure]みち」と記述した。個人的な記憶と展示を重ね合わせることには権力的なリスクが伴うことも、自身のテキストで明示されている。

6名の作家がこの企画に賛同し、biscuit galleryの3フロアで作品を発表した。1Fでは、Lily Spacey+添田奈那による共作プロジェクトと、Christos Mavrodisによる短編映像作品を展示。2Fでは、袁方洲、田中小太郎による新作群を展示。3Fでは、ペロンミほか複数の作品群を取り合わせた、キュラトリアルな場が編まれた。

会期中の2月3日には、waxogawaと布施琳太郎によるトークイベント「長い沈黙。」[Long silence.]を開催(biscuit gallery 3F、16:00〜17:30、定員10名、参加無料・事前申込制)。詩、沈黙、障害、翻訳といったテーマをめぐって語る場として企画された。

キュレーター:waxogawa/小川楽生

本展示はbiscuit galleryの「若手キュレーター支援事業」biscuit gallery Curator Projectsの第2弾として開催された。

本展に寄せた文章